眼を鍛える、とは?


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脳をいっぱい活用して観る(描く)


ただ単純に右脳と左脳とでわけてしまうのはナンセンスかもしれませんが
わかりやすくいうならば「右脳と左脳」、これらをともに使うことによって
よりモチーフを的確に写し取ることができるのです



●一般的に「左脳」というのは・・・
知識で得たこと・概念や知識、習慣など、日常の生活などで普通に使っている脳。
(Lモード:左脳的把握)

●では、「右脳」というのは・・・
感覚や5感、感性のような部分をつかさどる脳。
(Rモード:右脳的把握)

といったように一般的に分類されています。


ものを正確に捉えて描く
・・その状態では、この両方の脳を共に使いながら描いているのです




以下、これより先の詳細につきましては、実際に細かくご説明いたしながら
進めていきます。

Lモードの部分(左脳的把握)とRモードの部分(右脳的把握)とに分けまして
わかりやすくお話させていただきます。



Lモードの部分(左脳的把握)

「絵を描く」という上で、『これだけは知っておいたほうが良い』という法則を
ご説明いたします。

@ 遠近法(一点透視図法〜三点透視図法まで)
@ 視点の設定(みる角度)で、いろいろな変化が起こるという法則
@ 構図の重要性(中心や、紙のサイズにあわせた枠を探る)
@ それぞれの位置関係の捉え方(平行・垂直にラインをイメージしてみる)
@ モチーフそのものの形ではじめに重要となるもの
  (モチーフにはみえないが最重要となる中心線や構造的な線をはじめに組み立てる


Rモードの部分(右脳的把握)

実は上記のなかでも、このRモード(右脳)を使っている部分もかなりあります。
モチーフを眺めながら客観的に「はじめてそのものをみる」といった感覚でみるとき
かなり右脳を使っているのです。物と物との間の形をみるということも、そう。
要するに「概念でみていないで、客観的にみているという状態」こそが、この脳を
使っているというときなのです。

クロッキーというのは基本的に短時間で、調子(明るいところから
暗いところまでのトーンの幅)よりも、主に「物の輪郭や構造的なもの」を線のみで
捉えることとして「クロッキー」といった単語を用いておりますが、そのクロッキーでは
線で物を描く。 がしかし、そこから「デッサン」としていく場合、ここで初めに
捉え描いた線のほとんどは線ではなくなります。・・なぜならば、そこ(モチーフ)に
線があるわけではないからです

モチーフ全体を「白黒写真」として想定してみてください
なぜ線にみえるかというと
暗い調子と明るい調子がぶつかり合っていて、その境目が線にみえている
ということなのです。
(※デッサンを描くコツもまたいろいろございます。(それも別途ご説明いたします))
どちら側が明るくて、どちら側が暗いのか。

それは(線ではないが線としたときに)線の中で「明るい側」「暗い側」というものが
入れ替わったりしていることがかなりあります。

例えば、赤い布の上に白い卵が乗っているとします。
そこには線が存在するわけではありませんが、卵をまずはじめにやはり線で
描きますよね。そしてそこからデッサンに移行していく際に、どちらが明るいか、暗いかを
観察します。
概念だけで捉えたり、よく観察されていないと白いものは明るい!赤布のほうが暗い!!
ということで、単純にみてしまいます。
しかし、そのモチーフの状態をよく観察し、白黒写真として置き換えてみたりして
再度観察してみると、卵の下のほうは影があり、赤布よりも暗くなっていたりします。
そして、もっと下の布とくっついている部分をさらに観察すると、卵の影がかなり暗く赤布に
映っていて、そこの際をみると、ここは卵側のほうが明るかったりします。

そんなように、一本の線のなかで、明るい側・暗い側 といった関係が
多様に変化したりしています。

説明が長くなりましたが、そのように観察しているときにも
この「右脳で観ている」といった状態に近くなるのです。



三次元のものを二次元に置き換えてみるときに、Lモードのような法則がいろいろあり
そしてまた、実際に描く際にはRモードの視点で捉えることが必要となります。
この両方をしっかりと踏まえながら、『眼を鍛えていく』といった実践を重ねていきます。







デッサンのコツ・その他色彩などの詳細について

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